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自分に合う環境を知ることも、自己理解
「もっと自分が変わらなければ」
うまくいかないことが続いたとき、そんなふうに考えることはないでしょうか。
もう少し積極的になれたら。
もっと人とうまく関われたら。
もっと頑張れる自分だったら。
もちろん、自分自身を振り返り、少しずつ変わっていくことが必要なときもあります。
けれども、いつも「自分を変えること」だけが答えなのでしょうか。
私は、自己理解にはもうひとつ大切な視点があると思っています。
それは、
「自分は、どんな環境なら自分らしくいられるのか」
を知ることです。
同じ人でも、環境によって変わる
人は、どこにいても同じ状態でいられるわけではありません。
静かな場所では集中できるけれど、周囲に人が多いと疲れやすい。
一人で考える時間があると力を発揮できるけれど、常に誰かと一緒にいると消耗する。
反対に、一人で黙々と取り組むよりも、誰かと話しながら考えた方がアイデアが浮かぶ人もいます。
人との関係も同じです。
たくさん話せる相手に安心する人もいれば、言葉がなくても同じ空間にいられる相手に心地よさを感じる人もいます。
どちらが正しいわけでもありません。
自分と環境との間には、「相性」があります。
「自分がダメ」ではなく、「合っていない」のかもしれない
何かがうまくいかないとき、
「自分には能力がない」
「自分は人付き合いが苦手だ」
と、自分自身の問題として捉えてしまうことがあります。
けれども、少し視点を広げてみると、
「この環境では力を発揮しにくいのかもしれない」
という可能性も見えてきます。
例えば、静かな場所なら集中できる人が、常に話し声のある場所で仕事をしていたら、いつも以上に疲れるかもしれません。
自分のペースで考えることが得意な人が、即答を求められる環境にいれば、「自分は判断が遅い」と感じることもあるでしょう。
それは必ずしも、その人に何かが足りないということではありません。
自分の特性と、今いる環境がうまく噛み合っていない。
そんなこともあります。
自分に合う環境を知るために
では、自分に合う環境はどうすれば分かるのでしょうか。
特別な分析をしなくても、日常の中にヒントはたくさんあります。
「今日はあまり疲れなかったな」
「この人と話したあとは、不思議と気持ちが楽だな」
「ここにいると、自然に集中できるな」
反対に、
「なぜかここでは緊張する」
「楽しいはずなのに、帰るとぐったりする」
「この状況になると、いつも焦ってしまう」
そんな感覚も大切な材料です。
良い・悪いと評価する前に、
「私は、こういうときにこう感じるんだな」
と観察してみる。
それだけでも、自分に合う環境の輪郭が少しずつ見えてきます。
環境を選ぶことは、自分を甘やかすことではない
自分に合う環境を選ぶというと、
「苦手なことから逃げているだけでは?」
と思う方もいるかもしれません。
もちろん、いつでも自分にとって快適な環境だけを選べるわけではありません。
ときには苦手なことに挑戦したり、環境に合わせたりする必要もあります。
だからこそ大切なのは、
「自分に何ができるか」と「どんな環境なら力を発揮しやすいか」の両方を知っておくこと。
自分を環境に合わせるだけでもなく、
環境にすべてを求めるだけでもない。
その間で、自分にとってちょうどよいところを探していく。
それも、自分らしい生き方をつくっていく作業なのだと思います。
自己理解は、自分の内側だけを見ることではない
自己理解というと、
性格や考え方、過去の経験など、自分の「内側」を深く見つめるイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも大切です。
けれども、
どんな場所で安心するのか。
どんな人といると自然体でいられるのか。
どのくらい一人の時間が必要なのか。
どんなペースなら無理なく動けるのか。
こうした「自分と環境との関係」を知ることも、自己理解です。
そして、自分の特徴が分かってくると、
「自分をどう変えよう」
だけではなく、
「自分をどう活かそう」
という視点を持てるようになることがあります。
おわりに
もし今、
「どうして私はうまくできないんだろう」
と思っていることがあるなら、一度だけ問いを変えてみてもいいかもしれません。
「私は、どんな環境なら少し楽にいられるだろう?」
自分自身と向き合うことは、ときに簡単ではありません。
けれど、自分の感じ方や特徴を一つずつ知り、それに合った生き方を考えていくことは、自分の人生を自分の足でしっかり踏みしめていくことにもつながります。
自分を変えることだけが、自己理解のゴールではありません。
今ある自分を知り、その自分をどう生かしていくか。
そんな自己理解も、大切にしていきたいと思っています。