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7周年を迎えて――心理学を、もっと日常のそばに
2026年11月1日、心理相談室あじさいのへやは、開室7周年を迎えました。
これまで当室に足を運んでくださった皆さま、オンラインでご相談くださった皆さま、そしてさまざまな形で活動を支えてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
7年間を振り返ると、カウンセリングをはじめ、講演やワークショップ、文章を通した発信など、少しずつ活動の幅が広がってきました。
活動の形は変化してきましたが、私が大切にしていることは、開室当初から変わっていません。
それは、一人ひとりが自分自身を理解し、自分なりの人生を選んでいくことを支えたいという思いです。
自分を知ることは、自分を変えることだけではない
心理相談室というと、悩みを解決する場所、困っていることを改善する場所というイメージがあるかもしれません。
もちろん、悩みや困りごとについて一緒に考え、状況を整理していくことは、私たち心理士の大切な仕事です。
けれども、私がカウンセリングを通して大切にしているのは、必ずしも「今の自分を変えること」だけではありません。
自分にはどのような特徴があるのか。
どのような環境で力を発揮しやすいのか。
何を大切にして生きていきたいのか。
そして、これからどのような人生を選んでいきたいのか。
そうしたことを一緒に考えながら、その方自身が納得できる選択をしていく。
私は、そんな時間を大切にしています。
自己理解は、自分の欠点を探して直すためだけの作業ではありません。
自分の良さも、苦手なことも、これまでの経験も含めて、等身大の自分を少しずつ知っていくこと。
その積み重ねが、自分に合った生き方を考えるための土台になるのではないかと思っています。
心理学を、もっと日常の中に
この7年間で、もうひとつ強くなってきた思いがあります。
それは、心理学がもっと日常の中にあってもいいのではないかということです。
心理学やカウンセリングは、心がつらくなったときや、大きな問題に直面したときに役立つものだと思われがちです。
もちろん、それは大切な役割です。
でも、心理学に触れる機会は、困っているときだけでなくてもいいと思っています。
本を読んで、ある一文が気になったとき。
誰かとの会話を振り返ったとき。
仕事や暮らしについて、これからのことを考えたとき。
自分の好きなものや、心地よいと感じるものに気づいたとき。
そんな日常のさまざまな場面にも、自己理解につながるきっかけがあります。
そこに、心理学という補助線を一本引いてみる。
それまでとは少し違った角度から、自分自身や身の回りの出来事を眺められることがあります。
心理学を特別なものとして遠くに置いておくのではなく、必要なときに手に取れるものにしたい。
そんな思いが、少しずつ大きくなってきました。
新しい取り組み「あじさいのへやLibrary」
そして、7周年を迎えたこの節目に、新しい取り組みをひとつ発表します。
「あじさいのへやLibrary」
心理学や自己理解に、自分のペースで触れられる会員制のコンテンツです。
大きな悩みがあるわけではないけれど、自分について考えてみたい。
心理学に興味があるけれど、何から触れてみたらよいか分からない。
誰かに答えを教えてもらうのではなく、自分なりに考えてみたい。
そんな方にも、心理学や自己理解に触れていただける場所をつくりたいと考えています。
Libraryという名前には、本棚から気になる一冊を取り出すように、必要なときに心理学や自己理解のヒントに触れてほしいという思いを込めました。
すべてを一度に学ぶ必要はありません。
今の自分にとって気になるものを手に取って、少し考えてみる。
また必要になったときに戻ってくる。
そんな場所を目指しています。
あじさいのへやLibraryは、2027年1月1日の開始を予定しています。
具体的な内容やご利用方法については、今後少しずつご案内してまいります。
そして、もうひとつのご報告
7周年の節目に、もうひとつご報告があります。
このたび、初めての著書
『人生には、対照群がない。』
を出版しました。
本書は、身近な出来事や人生のさまざまな場面を題材に、自己理解や物事の捉え方について考えていくエッセイです。
心理士としての視点と、一人の人間としての視点を行き来しながら、同じ出来事でも、立場や時間、見方が変われば違った景色が見えてくることを、さまざまな角度から考えています。
そもそも「自己理解」とは何なのか。自分を理解することには、どんな面白さがあるのか。
そんな問いも、時にはユーモアを交えながら綴っています。
人生には、さまざまな選択があります。
けれども、ある道を選んだ自分と、別の道を選んだ自分の人生を、同時に生きて比べることはできません。
だからこそ、ひとつの正解を探すのではなく、自分の経験や選択をいろいろな角度から眺めてみる。
本書が、読者の皆さまにとって、ご自身の人生や自己理解について考えるきっかけになれば嬉しく思います。
書籍の内容や購入方法については、別の記事でご紹介しています。
8年目のあじさいのへやも、よろしくお願いいたします
カウンセリングという、一対一でじっくり向き合う時間。
講演やワークショップを通して、心理学に触れる時間。
文章や書籍を通して、誰かの考えに出会い、自分自身を見つめる時間。
そして、これから始まるLibraryという新しい場所。
それぞれ形は違いますが、根底にある思いは同じです。
自分を知ることは、自分らしく生きることにつながる。
私が答えを決めるのではなく、一人ひとりが自分自身について考え、自分なりの答えを見つけていく。
そのための材料や時間を、これからもさまざまな形でお届けしていきたいと思っています。
7年間、本当にありがとうございました。
そして、8年目の心理相談室あじさいのへやも、どうぞよろしくお願いいたします。
心理相談室あじさいのへや
代表 伊藤陽香