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心理関連

「私は○○タイプ」で終わらせない――性格診断を自己理解にどう活かす?

「MBTI、何タイプ?」

数年前から、こんな会話を耳にすることが増えました。

SNSで見かけたり、友人同士で結果を見せ合ったり。
アルファベット4文字で自分のタイプを表す性格診断は、ずいぶん身近なものになったように思います。

実は私も最近、友人との会話の中でこの話題になりました。

「あれって、結局どういう意味なんだろう?」

そんな話をしているうちに、改めて思ったことがあります。

性格診断は、結果そのものよりも、その結果をきっかけに何を考えるかが面白い。

今回は、そんな「性格診断から始める自己理解」について考えてみたいと思います。

まず、「MBTI」と16Personalitiesは同じもの?

少しだけ、心理士らしい話をしておきます。

一般に「MBTI」と呼ばれながらSNSなどで広く利用されているものの中には、「16Personalities」という無料の性格診断があります。

ただし、16Personalitiesと正式なMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)は同じものではありません。

16Personalities自身も、ユングやMBTIから着想を得つつ、Big Fiveの考え方を組み合わせた独自のモデルであることを説明しています。

ですから、16Personalitiesの結果をそのまま「正式なMBTIの結果」と考えるのは少し違います。

……とはいえ。

だからといって、

「正式な心理検査じゃないから意味がない」

で終わらせるのも、私は少しもったいないと思っています。

大切なのは、何のために使うのかではないでしょうか。

「私はこのタイプなんだ」で終わったら、ちょっともったいない

性格診断をすると、

「めちゃくちゃ当たってる!」

と思うこともあれば、

「ここは全然違う気がする」

と思うこともあります。

実は、この両方が自己理解の材料になります。

たとえば、

「どうして私はここを『当たっている』と思ったんだろう?」

「この部分は仕事では当てはまるけれど、家では違うな」

「昔の自分だったら、違う答えを選んでいたかもしれない」

「この特徴が出やすいのは、どんなときだろう?」

そんなふうに、診断結果を見ながら自分自身に問いかけてみる。

すると、

「あなたは○○タイプです」

という分類から、少しずつ、

「私はどんな人なんだろう?」

という自己理解に変わっていきます。

人は、本当に16種類に分けられる?

もちろん、人間はそんなに単純ではありません。

同じ人でも、仕事をしているときと家にいるときでは違うかもしれません。

一緒にいる相手によっても変わるでしょう。

年齢や経験、置かれている環境によって、考え方や行動が変わることもあります。

だから私は、性格診断を

「あなたはこういう人です」と決めるためのもの

として使うよりも、

「自分について考えるための材料」

として使う方が面白いと思っています。

結果と自分が違っていたっていい。

むしろ、

「私はここは違うと思う」

という感覚の中に、その人らしさが隠れていることもあります。

タイプを知った「その先」に自己理解がある

そして、ここからが私が大切にしているところです。

仮に、自分にはこんな特徴がありそうだと分かったとします。

そこで終わらず、

「この特徴は、どんな場面で活かせるだろう?」

「反対に、どんな環境では疲れやすいんだろう?」

「人と関わるときには、どんな特徴として現れる?」

「仕事を選ぶときには?」

「生活するときには?」

と考えてみる。

すると、性格についての話だったものが、少しずつ自分の生き方の話になってきます。

たとえば、「一人でじっくり考える時間が必要」という特徴に気づいたなら、

「内向型だから仕方ない」

で終わるのではなく、

「では、自分が力を発揮するためには、どんな働き方や環境が合っているんだろう?」

と考えることができます。

自己理解は、自分にラベルを貼るためのものではありません。

自分の取扱説明書を少しずつ作っていくような作業に近いのかもしれません。

自分を知ることから、自分の人生を考える

心理相談室あじさいのへやでは、自己理解を大切なテーマにしています。

その中でも「自己を見つめるライフデザインプログラム」では、

「私は何タイプ?」

だけではなく、

「私はどんな特徴を持っている?」

そして、

「その自分を、これからどう活かしていく?」

というところまで一緒に考えていきます。

自分の得意・不得意。
考え方や感じ方の特徴。
大切にしている価値観。
人との関わり方。
自分に合いやすい環境。

そうしたものを少しずつ整理しながら、これからの生き方や働き方、人との関係などについて考えていきます。

そこには、誰にでも当てはまる一つの正解があるわけではありません。

だからこそ、自分について知ることが「選ぶための材料」になります。

性格診断も、その入口の一つ。

結果を見て、

「へえ、私は○○タイプなんだ」

で終わるのではなく、

「ところで、私はどうしてこうなんだろう?」

と、もう一歩だけ考えてみる。

そこから始まる自己理解も、なかなか面白いものだと思います。